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怖い体験【業務外】【ホラー】

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夏といえば、怖い話!

というか、年間怖い話やホラーが好きです👻

これは、私が過去経験した怖い話です。

※嘔吐表現があるので、気になる方は閲覧をお控えください。

夜、カーテンが揺れた。確かに。

現在も、私は精神科に通院し、定期的な服用をしています。

私が、うつ病と診断されたのは20代の終わりでした。

これは、それよりも少し前のこと。

まだ、一人暮らしをしていました。

時々訪れる、激しい自己嫌悪や気分の落ち込み。

理由は、よくある大したことのない出来事。いや、「理由だと思われること」と表現した方が正確かもしれなかった。

自分の脳みそが、勝手に落ち込みたがっている。

自分の意志ではなく、自分でない何かに、感情を勝手に操られているというか、脳みそをいじられてるみたいだった。今思うと。

「おかしい人間は、自分がおかしいと気づくことができない」

今振り返って、当時の私は、明らかにそれだった。

きっと自分の意志が弱いんだと、思い込もうとしていた。

その日も、仕事から帰って、さっそく安い酒に手を伸ばす。

取るに足らない小さな出来事が、まるで私の精神を少しずつ、確実に削っていくみたいだった。(現在も、そういう日があるけど)

その日は、中々、酔えなかった。

酔ってしまえば忘れられる、わけじゃない。

でも、そういうときに感じるおかしな使命感が、私にさらなる飲酒を促した。

胸を刺すような、イライラをどうにかしたくて、とにかくどうにかしたくて。

「ああ、どうしてわたしばっかり」

「どうして誰も、わかってくれないの」

孤独感と、将来への不安。どんどん、心の闇が拡大していくようだ。

多分、もう正常な精神状態じゃなかったんだと思う。

ふと、片頭痛の薬を飲んでみようと思い出した。

頭が痛い時に飲むと、痛みを忘れさせてくれる頼もしい味方。

頭痛が消えるのと同じように、心を支配するストレスを消してくれるんじゃないかと、その時の私は思ったのかもしれない。

一回分の量で、アルコールと反応したのか、一気に酩酊感が襲ってきた。

「うふふ・・・なんか・・・どうでもよくなってきた・・・」

一気に気分が明るくなって、そして、急激に眠くなってきた。

もう何もかもどうでもよくなって、風呂も入らず、そのまま布団に入った。

少しして、強烈な吐き気で目が覚めた。

トイレで何回も、嘔吐。

もう、何も吐くものがなくなっても、まだ、せりあがってくる。

後悔はいつも、先に立たない。

酸欠っぽい感じにもなって、目の前が、昔のテレビの砂嵐のように、やや不鮮明になった。

フラフラになりながら、布団へと倒れこむ。

ふと、窓を見た。

「あれ?戸締り、忘れたっけ?」

カーテンが、揺れてる。

酸欠感と嘔吐感と、体内に吸収されたアルコールと、もしかしたら頭痛薬、元々あった、ストレスのかたまり。

一瞬、幻覚かと思った。でも、小さく、確かに、揺れている。

もう、あまりの気持ち悪さと、倦怠感で、小さなワンルームの部屋を移動する気にもなれない。

ボーっと小さく揺れるカーテンを見ていた。

揺れているというより、震えている。小刻みに。

虫でもいるんだろうか?

さすがに、気になって、おそるおそる、カーテンを開く。

そこにあったのは、手だった。

「ひっ」

カーテンから手を放す。

窓が、空いてた。最後に戸締りを確認したのは、その日の朝、出勤前。

そこから割と近いところで、空き巣被害が出たと、朝のニュースで見たのだ。

窓から手が出ている。

どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。

警察?

心臓が、緊急事態だと、私の全身に告げている。

本来なら、とりあえず部屋から出るべきだろう。アパートに住んでいるのだから、付近の住人に助けを求めてもいい。

でも、飲酒、薬物、嘔吐、酸欠。

職場なら、一緒に対応してくれる隊員たちも、ここにはいない。私一人。

確かに、手だった。カーテンが小刻みに揺れてた。

指先が、カーテンをもてあそぶように、小さく動いていた。

でも、警察を呼ぶなら、確認しなくては。間違って通報したら、迷惑になる。

そう思って意を決して、もう一度、カーテンを掴んだ。

何もなかった。

窓が開いていた。確かに、今朝閉めたのに。ニュースでみて、物騒だと思って。

そもそもおかしいのだ。

だってここは、アパートの三階なのだから。

片方の手だけが、カーテンをもてあそんでいた。小さく、チロチロ動かすみたいに。

・・・女性の手だったと思う。

暗くても解る、女性的な、指の細さと、肌のきめ細かさ。

 

今では、もうわからない。

幻覚だったのか、変質者の仕業だったのか、それともそれ以外だったのか・・・

 

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