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駅現場のホラー【怖い話】

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※実話を元にしていますが、プライバシー保護の為、この文章はフィクションを多分に含みます(各種名称、特徴等)。よって事実と完全に一致しません。

「大丈夫、お化け、いないから。」

何年か前にTVのCMで警備員のおじさんが言ってましたね。

わたしも、そう思います。幽霊なんていないし、警備の仕事してて、遭遇したことないし。

ほとんど、そうなんです。

でもね、あれはなんだったのかな…って思う体験は稀にあるんです。本当にごく稀に。

べ…別に警備がホラーと隣り合わせって言いたい訳じゃないんだからねッッ!!

私がホラー好きなだけ!!です!!

今回は、私じゃなくて、以前駅現場で一緒だった元同僚の話です。

『黒い頭』

昔、二号警備(道路交通誘導)で、業界内では有名な会社に所属していた時の話です。

通常、隊員はこの現場は行きたくない、という「NG現場」を指定することが可能です。

人間関係とか、現場隊員、派遣先の職員との相性が悪かったり、以前の職場の近くだから気まずいとか、そういう理由で指定します。

(人が足りないとか、状況に応じては無視して派遣されちゃうんですけどね💦)

仮に、鈴木さんとしましょうか。

その隊員は、唯一、一か所だけNG現場がありました。

鈴木さん、NGあるんですね~。

人当たりもよく、器用な鈴木さん。

NG現場指定があるなんて、意外だなぁと感じ、世間話のつもりで聞いてみました。

・・・・・・


あ・・・なんか余計な事言っちゃったかな💦


あのさ、幽霊って信じる?


突然のオカルト展開。

ホラーとかオカルトとか、実は結構好きなんですけど、信じてはいないんですよね・・・


僕もね、あくまでネタとしては嫌いじゃなかったんだ。

 

でもね、君と同じく信じてなかった。

 

でも、「いる」んだ。
少なくとも、D駅(仮)には。



D駅(仮)は何の変哲もない普通の駅。隊員の人気は可もなく、不可もなく。

とりたてて、特徴のない、快速の止まらない普通の駅。

 

「すいません」

ある日、後ろから女性の声で話しかけられたそうだ。

駅現場で、道を聞かれるのはよくあること。

振り返った鈴木さん。

しかし、そこにはだれもいなかった。

 

気のせいか・・・


そう思って前を見ると、なんとなく、自分が立っている向かいのホームを見た。

ふと、向かいのホームに男性が立っていた。

あの人の着ている服、ずいぶん変わったデザインだな・・・


スマホを見ながら電車を待っている男性。

フードだろうか?おかしな形に固定されている。

おかしな形にねじまがっている。

おかしな形に膨らんだフードが肩に乗っかって、まるで頭が二つに見える。

「すいません」

鈴木さんは振り返った。

確かに、今度は確かに聞こえた。気のせいではない。

姿は見えないけど、たしかに、自分に話しかけている。

そして、確実に鈴木さんのそばに、近づいている。

急に怖くなって、違う場所に立とうと歩き出そうと前を向いた。

向かいのホームの、例の男性が目に入った。

肩に乗っかった、フードらしきもの。

黒いそれは、まるで、女性の頭が男の肩に乗ってるようだった、と。

「見えてるんでしょ?」

同僚に気分が悪いと伝え、鈴木さんはトイレに逃げた。

5分程時間をおいて、持ち場へ戻った時はもう、その男性も、その肩に乗った黒いカタマリもいなかった。

それでも、思い出してしまうんだそうだ。

ただ、それだけのことだし、駅が悪いわけでもない。

後日談も特にないが、あの時感じた、

腹の底から湧き出してくる浮遊感にも似た恐怖を。

声がした場所と、男性の肩の黒いカタマリが関係しているかも不明。

あの声と、カタマリの間には距離があった。

でもなぜか、あのカタマリが話したんだと、鈴木さんは妙に確信したという。

「もう一度あのD駅の現場に立ったら、今度は僕の肩に乗るんじゃないかって。そう思えて、あそこにはもう行きたくないんだよ。」

 

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